
AI初心者
漫画を作るアプリはいろいろあるけど、ComicsMaker.aiってどんなところがよいのかしら?
1. イントロ:AI漫画時代の到来
漫画制作は長らく「作画力」が最大の参入障壁でした。アイデアがあっても「描けないから作れない」という悩みを抱えてきた人は多いはずです。しかし近年、AIイラスト生成技術の急速な進化により、作画という壁が大きく低くなりつつあります。
特に2024年以降注目を集めるのが、AIによる**「連続コマ漫画の自動生成」**。
静止画のイラスト生成は既に普及しましたが、複数コマにわたってキャラや構図を維持しながら漫画として成立させることは、従来のAIには困難でした。
そこへ登場したのが ComicsMaker.ai。
ストーリー入力だけで漫画全体を設計し、連続性あるコマ割り、キャラクター配置、背景描写まで行う、まさに「AI漫画家」と呼べるツールです。
2. ComicsMaker.aiとは?【基本機能の深掘り】
ComicsMaker.ai は、生成AIに特化した漫画制作クラウドサービスです。以下のような独自の強みを持っています。
キャラ一貫性の維持
- コマを跨いでもキャラクターの服装・髪型などを保つ技術を導入。
- 完全ではないが、工夫次第で実用レベルに近づけられる。
ControlNet・Inpaintingサポート
- 細かなポーズ指定や背景固定も可能。
- 一部修正は後工程で手直しできる柔軟性。
料金体系

- 支払い方法は、クレジットカードまたは、デビットカードのみとなっています。
- アカウントを作成すると100クレジット無料でプレゼントされます。
- ギャラリーにコミックを投稿することでも、1ページにつき、100クレジットを獲得できます。
- 【無料プラン】100クレジット付与
- 【有料プラン】月額10ドルで、3000クレジット付与。20ドルで、6500クレジット付与。サブスクリプションのクレジットに関しては、繰越はありません。
※有料無料にかかわらず、商用利用はCreative ML OpenRAIL-Mライセンスに準拠することで、可能になっています。
また、クレジットが足りなくなった場合、別途10ドルでクレジットを追加購入できます。
追加購入したクレジットに関しては、クレジットに有効期限はありません。
以下は、Stability AI社のCreativeML Open RAIL++-Mライセンス(2023年7月26日版)の要約内容です。(ChatGPTに翻訳&要約してもらいました。)
■ ライセンスの概要(序文)
このライセンスは、マルチモーダル生成モデル(例:画像生成AI)を、オープンかつ責任ある形で利用してもらうことを目的としています。
- オープン性:オープンソースのように、知的財産権を広く許諾。
- 責任ある利用:悪用防止のために**使用制限(禁止事項)**を設けており、ライセンス違反には法的措置が取られる可能性もあります。
- 派生モデルにも同様の使用制限を課す必要があるため、改変モデルも勝手な使い方はできません。
■ 定義の主な項目
- Model(モデル):重み・パラメータ等、学習済みのAI本体
- Output(出力):AIから生成された画像・文章などの成果物
- Derivatives(派生モデル):元モデルから変形・蒸留・合成などで作られた別のモデル
- Complementary Material(補助資料):学習コード・ドキュメントなど
- Distribution(配布):配布・ホスティング・API提供などすべて含む
■ 知的財産の扱い(Section II)
- 著作権と特許権の両方を無償で許諾:世界中で、商用・非商用を問わず利用・配布可能。
- ただし、自分から特許訴訟を起こした場合には、そのライセンスは自動的に終了。
■ 使用・配布・再配布の条件(Section III)
✅ 許可されていること:
- モデルや派生モデルを改変して再配布
- APIやWebサービスとしての提供
- 補助資料の再利用
⚠️ 守るべき条件:
- 使用制限(後述のAttachment A)を明示し、再配布先にも継承させること
- 変更を加えた場合は、その旨を明示
- 元の著作権表示やクレジット表記を保持
- 出力物(画像など)に関して、権利はユーザーに帰属するが、その使用には責任が伴う
■ 使用禁止事項(Attachment A)
以下の目的での利用は禁止されています:
- 法律違反(国際法、国内法などすべて含む)
- 未成年者の搾取・危害
- 偽情報の作成・拡散(特に他人を害する目的のもの)
- 個人情報の不正生成・使用
- 誹謗中傷、ハラスメント
- 法的権利に悪影響を及ぼす自動意思決定
- オンライン/オフラインの行動・性格等を元に差別的な扱い
- 社会的・身体的・精神的な特徴を利用した心理的・身体的な害の発生
- 医療アドバイスや診断
- 司法・警察・移民・亡命等の行政判断への利用(例:AIによる犯罪予測)
■ その他の注意点(Section IV)
- 利用制限違反があった場合、ライセンサーがリモートで使用を制限することが可能
- Stability AIの商標やロゴは使用不可
- モデルは無保証。利用や配布のリスクはすべて自己責任
- 保証や責任を追加で負う場合は、その責任は自分で引き受ける
✅ 要約まとめ(超短縮)
項目 | 内容 |
---|---|
利用可能範囲 | 商用・非商用OK、改変・配布OK |
使用条件 | 使用制限(禁止事項)の明示と継承が必須 |
禁止事項 | 差別・個人攻撃・医療・司法判断などへの利用 |
出力の扱い | 利用者の所有物。ただし責任は利用者にある |
保証 | なし(AS IS)利用リスクは自己責任 |
3. 導入:登録から最初の一歩【実際の操作画面付き】
AI漫画ツールに不慣れでも心配無用。ComicsMaker.aiは以下の簡単ステップで始められます。
📝 アカウント作成方法
- 公式サイトにアクセス
https://comicsmaker.aiにアクセスします。

2.Googleで簡単登録

3.即時利用開始可能

4. 漫画作成手順:プロのように描くフロー【実践例付き】
実際に漫画を作る流れを、具体例で紹介します。
1.ダッシュボードにて、Createボタンを押します。
2.Create New Comicのポップアップが開くので、Comic NameやPage Sizeなどを選びます。

ページサイズは、675×1050か1120×1664が選べます。
フォントは、13種類用意されています。好きなフォントを選んでください。
Komika Hands、ANIME INEPT、suplex,emtary、VENTURE EDDING、VTC LETTER PRO、TROUBLESIDE、Futura、HONOAAAK、Kalam、Minya Nouvelle、MysteryQuest、Oregano、Comic Sansとなっています。
3.作成したComicNameのページに飛ぶので、Create Pageを押してページの作成を行います。

ここからは、ページ作成用のステップバイステップをご紹介します。
✅ ステップ① Script入力(各ページのコマ割りなどのメモ)

Scriptは現在AIの関連の機能を持っていないので、シンプルにストーリーの生成に役立つメモなどを作成します
- ここでコマ割りやセリフの詳細を登録しておくと、キャラクターの動作などを作るときに役立ちます。
✅ ステップ② Characters

- ここでは、登場するキャラクターを作成します。
- プロンプトは、キャラクタープロンプト・服用のプロンプト・ネガティブプロンプトに分かれています。
- また、スタイルをリストの中から選ぶことができます。
スタイルは、Comics、Vintage Comics、Anime、Anime Bold,Mangaから選べます。 - プロンプトを入れて、Create Characcterボタンを押すと5クレジット消費され、キャラクターが作成されます。

・Save Characterボタンを押すと、キャラクター名の登録ポップアップが開くので、名前をいれて、Saveを押します。

・Character Saved Successfully!のポップアップが出ると、キャラクターの登録が完了しています。
・引き続き、キャラクターを作成するなら、Closeボタンを、背景作成に移動するなら、Create Backgroundボタンを押します。

画像を生成し終えたら、セーブをきちんとするようにしましょう。
セーブし忘れるとせっかく生成したキャラクターが消えることになります。
Train Characterでは、AIに学習させたいキャラクター画像を5枚以上アップロードしてキャラクターを作成します。
※例として、AnifusionでLoRA作成用に作っていたキャラ画像を入れてみました!

Train Characterを押すと、キューに追加されます。

Completeまでは時間がかかるので、他の作業でもしつつ待ちましょう。
✅ ステップ③ Backgrounds作成

- 背景のイメージを作成します。
- 背景用のプロンプトと、ネガティブプロンプトを入力できます。
- スタイルを選択することで、スタイルに合わせた画風の背景が作成されます。
スタイルは、Comics、Vintage Comics、Anime、Anime Bold,Mangaから選べます。 - Create Backgrroudsを押すと、1クレジットが消費され画像が作成されます。

Save Backgroudsを押すと、こちらも名前を入力するポップアップが出てくるので、名前を入力してSaveします。

Saveが終わったらBackground Saved Successfully!のポップアップが出るので、背景をもっと作成する場合は、Closeを押し、次に移動する場合は、Create a Sceneを押します。
こちらもセーブを忘れると、作った画像が消えるので注意が必要です。
✅ ステップ④ Scenesを作成

- ここでは各コマに使うシーンを作成します。
- Add Characterでは、キャラクターを一人選び、そのキャラクターと背景を合成して画像を作成します。
※ONにすると複数人いる場合に、別のキャラクターも選択できるようになります。

- Set Poseでは棒人間を使って、キャラクターの向きを設定できます。
また、Uplode Poseでポーズをアップロードすることで、選択したキャラクターにアップロードしたポーズをとらせることができます。
※体感ですが、ポーズの資料は、正方形に近いほうが、反応が良いようです。
- Pose Editorでは、棒人間にポーズをとらせることで、キャラクターにそのポーズを反映させます。
※キャラクターのポーズは、関節をダブルクリックすることで、その関節を選択して、ドラックすることで、ポーズを変更することができます。


Rotateでは、棒人間の向きを変更できます。
Moveでは、棒人間の関節をドラックすることで、いろんなポーズをとらせることができます。
Resetでは、作ったポーズをリセットすることができます。
- Composerでは、キャラクターを背景のどこに設置するかを指定することができます。
緑色の枠の中に、キャラクターが配置されます。


Create Sceneを押すと、3枚画像が生成されるので、その中から利用する画像を選択しUse this Sceneを押します。
- Shot Typeは、Front View(正面図)、Side View(側面図)、Back View(背面図)を選択できます。
- Shot Sizeは、Midium Shot(ミディアムショット)、Closeup Shot(クローズアップショット)、Full body Shot(全身ショット)が選択できます。
- Shot Angleは、Eye Level(目線の高さ)、From Above(上から)、From Below(下から)が選択できます。
完成した画像をクリックすると、インペイントを使うことができます。

Maskで修正したい場所を指定し、プロンプトを入力し、EditUsingAIを押して、画像を修正します。

今回は手を修正してみました。
ボタンを押した後に、3種類の画像が作成されるので、使いたい画像をSelectで選択します。
Saveを押すと、画像が保存されます。
Paintはそのままの意味で、画像の修正部分を自分で色塗りすることができる機能のようです。
プロンプトをいれてEdit Using AIを押しても、現在は、反応しません。
スポイトボタンで、絵の中の色を選択するか、色を選択の部分をクリックして、自分で色を選んで、色を塗ります。


いったんマスクで、修正してうまくいかなかった場合に、その部分を塗りつぶして再度、マスクをかけたりするのに使う感じになるようです。
※現状、ペイントしただけではSaveができませんでした。
✅ ステップ⑤ Pageを作成する
- ここでは、コマワリなどを指定して、画像をはめ込んだり、吹き出しを入れて、1ページを完成させます。
- 自由にコマを作ることができます。
①Add Panelでパネルをページ上に設置します。

②AIアートなどから、使いたい画像をクリックするとパネル内に画像が入力されます。

③ナレーションボックスや吹き出しなどを使用してセリフなどを入れます。
5. キャラの一貫性を保つコツ【実戦テクニック集】
キャラクター崩壊問題はAI漫画生成の永遠の課題。ここで具体的に防止策をまとめます。
🎯 コツ① 固定キャラプロンプトのテンプレ化
例:
Character Prompt
1girl, teenage girl, medium hair, black hair, straight hair, big eyes, looking_at_viewer, standing
Clothing Prompt
japanese school uniform, sailor collar, pleated skirt, neckerchief, black shoes, knee socks
Character Promptを毎回入れることで安定性が高まります。
服も固定したい場合は、Clothing Promptも一緒に毎回入れると安定性が高まります。
また、特殊な容貌などは、キャラクターがぶれやすくなるので、服装も、容姿も特殊なものよりも、普通なもののほうが安定して出力されます。
作ったプロンプトを何度か試してみて、一番出力が安定して固定されるものをプロンプトとして選ぶことでさらに安定してキャラを固定することができます。
🎯 コツ② ControlNet+参考画像活用
ControlNetは画像を参照しながら生成品質を固定化する技術です。ComicsMaker.aiでもこれに類似した機能が搭載されています。
- 同一キャラの立ち絵画像を用意し参照させる
- 服装・顔パーツ固定がしやすくなる
- 画像を参照する場合、Extract Composing UsingはDepthにしたほうが、参照画像により近い形で再現される

この画像を参照に、Depthを使うと、

このように、背景やキャラクターを変えても、ポーズは大体似たようなポーズが生成される。
Poseで参照すると、

このように、なぜかおかしな生成がされることが多々ある。
🎯 コツ③ プロンプト位置を工夫
- ストーリー冒頭だけでなく各コマ冒頭にキャラ設定を再記載
- AIが途中で忘れにくくなる
6. 実践レビュー:効果①制作時間の短縮
事例紹介(noteより)
- 17ページ漫画 → 約80時間で完成
- 通常作画なら150〜200時間かかる作業が半減
さらに、以下のような感想が上がっています:
- 📌「思いつきで物語を作っても即座に形にできる」
- 📌「ネーム代わりに使ってから清書作業するプロも出始めている」
- 📌「SNS投稿用短編漫画なら1日で仕上がる」
7. メリット・デメリット整理【公平評価】
✅ メリットまとめ
- 短時間で完成度高い漫画制作
- 作画スキル不要
- AIの進化次第で将来性が高い
⚠ デメリットまとめ
- キャラ一貫性はまだ工夫が必要
- 商用出版には利用規約確認が必須
- 長編ストーリーの整合性は手動補助が重要
8. 他ツール比較【競合徹底分析】
ツール名 | ComicsMaker.ai | AI Comic Factory | Comic AI Generator |
キャラ維持 | 中(工夫必要) | 低 | 高め |
対応言語 | 英語中心 | 英語中心 | 英語中心 |
商用利用 | 一部可能 | 制限多 | プラン次第 |
価格 | 月額5ドル〜 | 無料中心 | 月額15ドル〜 |
結論:連続コマ漫画制作においてはComicsMaker.aiが現状最有力
9. まとめ&今後の展望
AI漫画ツールはまさに「個人作家の武器」となりつつあります。
- 誰でも漫画家になれる時代
- 商用出版の敷居を下げる可能性
- AI連載漫画も実現可能性大
今後は「AI×人間」の共同制作時代が本格化するでしょう。
10. FAQ【よくある質問集】
Q. キャラ崩壊は防げますか?
A. 固定プロンプトでかなり改善可能です。
Q. 商用利用できますか?
A. 利用可能です。
Q. 複数ページ漫画も作れますか?
A. 1ページずつ生成しつつ、プロジェクト内で管理可能です。